クレジットカードのプロパーカードとは?意外に多いメリットとカード会社別おすすめの1枚
クレジットカードのプロパーカードとは
クレジットカードには、「プロパーカード」と「提携カード」の2種類があります。
プロパーカードとは、クレジットカードの国際ブランドが直接発行するクレジットカードの総称。
一般に、クレジットカードの多くは、国際ブランドと発行会社が分かれており、それに第三者の企業が加わり、2社もしくは3社以上の企業が提携することで発行されています(提携カード)。
一方のプロパーカードには、これらの提携会社がなく、カードの発行までを国際ブランドが1社で行っています。
現在、プロパーカードと呼ばれているるのは、厳密に言うと「JCB」「アメリカン・エキスプレス・カード」「ダイナースクラブカード」の3社のみ。
プロパーカードは、年会費が有料となるケースがほとんどですが、提携カードと比較するとステータス性が高いものが多く、会員限定の付帯サービスやキャンペーンも実施しているなど、実は多くのメリットがあります。
そこで今回の特集では「クレジットカードのプロパーカード」をテーマに、それぞれのプロパーカードのメ特徴とメリットに加え、おすすめの1枚をご紹介します。
人気のプロパーカード その1
JCBカード
JCBカードは日本発祥のカードブランドの中で、唯一の国際ブランドです。プロパーカードはもちろん、多数の提携カードも発行しており、国内・海外に多数の加盟店があることが最大の特徴。
プロパーカードは、もっともメジャーな「JCB一般カード」(年会費1,375円・税込※初年度無料)のほか、ポイント還元率の高い「JCB CARD W」「JCB CARD W plus L」や、ハイステータスを誇るゴールドカード、プラチナカード(招待制)なども発行しています。
利用者のニーズごとに様々なプロパーカードを選ぶことができ、国内にサービス提携店が多い点がJCBカードのメリットと言えるでしょう。
ポイントは「Oki Dokiポイント」が、カード利用1,000円につき1ポイント貯まり、貯めたポイントは商品券やAmazonでの支払いに利用可能。
ネットショッピングの際はJCBが運営するオンラインショッピングモール「Oki Dokiランド」を経由し、対象となるJCBカードで決済することで、獲得できるポイントが大幅にアップします。
JCBカードのメリット
- オンラインショッピングモール「Oki Dokiランド」でポイントが2倍から20倍になる
- JCBオリジナルシリーズパートナー(優待店)の利用でポイント還元率アップ
- 東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーで、会員限定の特典を多数用意
- ニーズ別にさまざまなグレードのプロパーカードを発行
JCB CARD W 公式サイトへ行く
JCBが発行する若年層向けのプロパーカード。年会費無料ながらポイント還元率は通常のJCBカードの2倍(1,000円につき2ポイント)に設定。
ただし申し込みは、インターネット経由、かつ39歳以下のみ(ただし申し込み時点で39歳以下であれば、39歳以降も利用可能)に限定。
インターネット利用での使い勝手の良さが特徴で、ポイント優待店(JCBオリジナルシリーズパートナー)での利用でポイントがアップするほか、Amazonでのポイント支払いなどポイント利用時の利便性も高い。
年会費 | 無料 |
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ポイント | Oki Dokiポイント:1,000円につき2ポイント~ ※ポイント優待店は最大20倍 |
おもな付帯サービス |
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人気のプロパーカード その2
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カード(アメックス)は、高いステータス性を特徴とする国際ブランドの1つです。
プロパーカード、提携カードともに発行しているものの、JCBと比較すると種類は少なく、年会費も全体的に高い傾向があります。そのぶん、空港ラウンジサービスや空港からの手荷物宅配サービスなどが付帯し、旅行関連のサービスが充実している点が最大の魅力。
クレジットカードの利用限度額が会員ごとの個別設定となっているのもアメリカン・エキスプレス・カードの特徴です。
プロパーカードは、一般的なクレジットカードのゴールドカードに相当するステータスを誇る「アメリカン・エキスプレス・カード」のほか、ゴールドカード利用者に人気が高い「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」、その他、招待制の「プラチナカード」や最高峰のステータスを誇るブラックカード、利用限度額がなく、戦車も買えると噂されるセンチュリオンを発行しています。
ポイントは「メンバーシップ・リワード・ポイント」を、カード利用100円につき1ポイント付与。貯まったポイントは航空会社のマイルやAmazonギフト券、Tポイント、楽天ポイントなどに交換可能。特に、マイルに交換した場合の還元率は、航空会社の提携カードに匹敵します。
一度でもポイントを交換すると、ポイントの有効期限が無期限になるなど、ステータスカードらしいサービスが付帯しているのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
アメリカン・エキスプレス・カードのメリット
- ポイントの有効期限を無期限にできる(要ポイント交換)
- ボーナスポイントパートナーズ(提携店)の利用でポイントがアップ(100円=2~10ポイント)
- 空港ラウンジサービス、手荷物宅配サービスなどの旅行関連サービスが充実
- マイルに交換した場合の還元率が高い(1ポイント=0.5マイル換算)
- アメリカン・エキスプレス・カード会員のみ応募可能なキャンペーンやイベントを開催
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード 公式サイトへ行く
アメリカン・エキスプレス・カードが発行するゴールドカード。高いステータス性と豊富なサービスから、アメックスのプロパーカードの中でも特に人気が高い。
旅行傷害保険やアシストサービス、空港ラウンジなど旅行関連のサービスが充実しているほか、提携レストランでのコース料理が1名分無料となる「ゴールド・ダイニング」など、ハイステータスカードならではのサービスが多数付帯している。
家族カードは1名分まで無料で発行可能。アメックスの空港ラウンジ(国内外29空港)も同伴者1名まで無料となる。旅行や出張の機会が多い場合や、家族で海外旅行に出かける場合にハイステータスカードの強みを実感できるプロパーカードだろう。
年会費 | 31,320円(税込) ※家族カード:1枚無料(通常13,200円 税込) |
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ポイント | メンバーシップ・リワードのポイント:100円につき1ポイント ※ボーナスポイントパートナーズの利用で(100円=2~10ポイント) |
おもな付帯サービス |
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人気のプロパーカード その3
ダイナースクラブカード
ダイナースクラブカードは、世界初のクレジットカードであり、アメックスと並び、高いステータス性を持つ国際ブランドです。アメックスと同じくプロパーカード・提携カードともに発行していますが、プロパーカードの種類は「ダイナースクラブカード」と、招待制のプラチナカードである「ダイナースクラブ プレミアムカード」の2種類のみ。
ハイステータスカードらしく、カード会員の利用枠に一律の制限を設けておらず、高額商品の購入にも対応しています。
アメックスと同様、旅行関連のサービスが充実しており、空港ラウンジはダイナースが提携する世界1,000箇所を超えるラウンジを無料で利用可能。手荷物の無料宅配サービスやトラベルデスク、手厚い旅行障害保険も付帯しています。
グルメ関連のサービスにおいても、対象レストランのコース料理が1名または2名分無料になる「エグゼクティブ ダイニング」や、予約の取りづらいレストランの空席を確保する「Wishダイニング」なども提供。
ポイントは「ダイナースクラブ リワードポイント」がカード利用100円につき1ポイント貯まります。ポイント有効期限はなく、好きなタイミングでTポイントや楽天ポイントなどに交換可能。「ダイナースクラブ ポイントモール」やダイナースが提携する「ポイントアップ加盟店」を利用することで、もらえるポイントがアップします。
ダイナースクラブカードのメリット
- 利用可能枠に一律の制限なし
- ダイナースクラブ ポイントモールを経由して商品・サービス等を購入するとポイントアップ
- 会員限定イベントへの招待
- 空港ラウンジや手荷物宅配サービスを利用可能
- コース料理の無料サービスやレストラン予約サービスなどグルメ関連サービスが充実
ダイナースクラブカード 公式サイトへ行く
ダイナースクラブカードが発行するプロパーカード。一般的なクレジットカードのゴールドカードに匹敵する高いステータスを持つ。海外旅行保険は最高1億円、買い物した商品の破損等をカバーするショッピング・リカバリーも最高500万円が付帯。また、保険の無料コンサルティングサービス、資産運用相談、提携金融機関(三井住友信託銀行)の住宅ローン金利の引き下げなど金融系のサービスも充実している。
アメックスと比較すると、グルメ関連のサービスに力を入れており、少人数・大人数・プライベート・ビジネス・記念日などの利用シーンにあわせて無料サービスや予約代行、空席情報の提供といった様々なサポートを提供している。
年会費 | 24,200円(税込) |
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ポイント | ダイナースクラブ リワードポイント:100円につき1ポイント ※ポイント有効期限なし |
おもな付帯サービス |
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プロパーカード番外編
三井住友カード(旧・三井住友VISAカード)
三井住友カードは、国際ブランドのひとつである「VISAカード」と三井住友フィナンシャルグループの「三井住友カード」が提携し、発行するクレジットカードです。
厳密にはプロパーカードとは異なるものの、VISAにはプロパーカードが存在しないことから、日本で初めてVISAカードを発行した三井住友カードが、広義のVISAプロパーカードと定義されることも少なくありません。
三井住友カードは、一般カードに加え、学生用カードやゴールドカードなど利用者に合わせた様々なカードを発行。
ポイントは、「ワールドプレゼントポイント」がカード利用1,000円につき1ポイント貯まります。
三井住友カードの特徴は、ポイントアップの特典が多く用意されている点。オンラインショッピングモールの「ポイントUPモール」のほか、事前にエントリーした街なかの対象店舗で買い物をするとボーナスポイントやキャッシュレスの特典が受けられる「ココイコ!」、提携店を3つ登録することでポイントが2倍になるサービスなど充実。
カード決済時に署名や暗証番号入力が不要な「VISAタッチ決済」にも対応しており、使い勝手の良さがメリットです。
三井住友カード 公式サイトへ行く
三井住友カードが発行するクレジットカード。国際ブランドはVISAとMasterCardを選べるが、VISAカードの知名度が高い。
2020年2月3日にカードのデザインとサービス内容をリニューアル。キャッシュレスに対応してワンタッチ決済(Visaのタッチ決済)が利用可能になったほか、スマホアプリと連携させて、使いすぎの防止やカードの利用停止などを管理することができる。
2020年4月30日までの新規入会で、通常1,375円の年会費が永年無料。さらに「三井住友カード Vpass アプリ」にログインし、カードで買い物をすると、利用金額の20%を還元するキャンペーンも実施している。抽選で50回に1回の確率で買い物代金が無料になるキャンペーンも同時開催。
年会費 | 1,375円(税込) |
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ポイント | ワールドプレゼントポイント:1,000円(税込)につき1ポイント ※セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドの利用ではポイント5倍 |
おもな付帯サービス |
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プロパーカードは会員向けの独自サービスに注目して選ぼう
クレジットカードのプロパーカードは、国際ブランドが直接発行しているだけあって提供するサービスの中身にそれぞれのブランドのカラーがよく出ています。
JCBカードの日本国内での圧倒的な提携店舗数や、アメリカン・エキスプレス・カードの旅行とエンターテイメント、ダイナースクラブカードのグルメと金融関連のサービスなどがその好例でしょう。
「年会費」や「ポイント還元率」といった切り口で見た場合、プロパーカードは必ずしも有利な存在ではありません。
しかし、プロパーカード独自のサービスやステータスが、ご自身のクレジットカードの利用シーンとマッチしている場合は、年会費無料のクレジットカードや、ポイント還元率の高いクレジットカードより力を発揮するケースも。
クレジットカードのプロを自認する、編集部内のスタッフがプロパーカードを持つ理由はこの点に集約されます。
使いこなすことができれば、プロパーカードはメインカードとして十分な実力を備えた1枚。プロパーカードを1枚持っておいて損をすることはありません。
今回ご紹介したそれぞれの国際ブランドの特徴・メリットも参考に、ご自身の生活に役立つプロパーカードをチェックしてみてはいかがでしょう?